タイ王国の印象
今回はなんとなくタイ王国の印象について、話そうと思う。
正直私は日本が好きだ。
和ものが好きだし、海外旅行より日本国内旅行の方が興味がある。
赴任する前は仕事もひと段落していたから、国内旅行一人旅をしてみようかな、と思っていた頃だった。
そんな私が赴任する前のタイの印象だが、
海外に関心がなかったこともあり、タイについて全く知らなかったと言って良い状態。*1
おぼろげな記憶を辿っていって、
そういやTシャツを着用した団体が空港を占拠してたなぁとか、
洪水で数多の工場*2が水没して、
自分に関係あるところだとHDD製造に影響出そうだーとか、
あとは首相がずっと国外逃亡しているとか、
微笑みの国という宣伝をしているとか、そんな程度の印象しかなかった。
では実際どうなのか。
- 法治国家ではない。
司法が片方の政党に肩入れしていたり*3、
選挙してももう片方の政党がデモだの暴動だの起こしていたり*4、
労働者契約を結んでも平気で破ってお咎めなしだったり*5、
警察はあまり働かず、賄賂でどうにかなると言う。*6
- 娯楽が少ない。
日本人のほとんどが興じているのはゴルフか女遊びかである。
どっちもやらない私としてはかなり退屈である。
いや、映画とか水族館もあるにはあるが……。
私の語学力では、英語で映画を見ても楽しめそうなのはアクションぐらいのもの。*7
水族館等にいたっては何度も遊びに行くところではないので、やはり退屈である。
ショッピングモールとかもあるのだが、物欲はあまりないので、やはり退屈である。
じゃあ観光したら、という話になるかもしれないが、タイそのものの観光名所は少ない。
ほぼ寺院なので、2・3か所見てしまえばあとは興味が深くない限り、どこも似たようなものである。*8
近隣諸国にツアー観光に行くことも考えたのだが、
連休がほぼないので、一泊二日はなかなか強行軍になるなぁと二の足を踏んでいる状態である。
じゃあ読書しようかなーと思うと、
日本語の本はほぼ輸入になるため、日本で買う場合のほぼ3倍の費用がかかるような状態。
あまりたくさん買うのも気が引けるなぁという気分になる。
*9
じゃあDVD買っちまえとか思うが、洋画がみたいと思っても英語版のタイトルがわからない。
そもそも何の映画が面白そうなのか調べるにしても、インターネットの回線も細いときたもんだ。
調べて予告編見るのも苦痛な状況である。
つまり長期滞在する際の娯楽は非常に少ない。 これは断言したい。
- ショッピングモール・市場
市場はなかなか面白い。 お祭りの出店が大量に並んでいるような印象。
パチモン通りみたいなのもあるし、似たようなものを売ってても全く値段が違うとかザラだし、実情はなかなかカオスである。
昼が暑過ぎるので、早朝か夜によく開かれている。
ここの人たちは英語慣れしていて、「Please give me discount.」とか言うと値下げ交渉が始まる。
むしろ値下げ交渉をせず買うなどありえないぐらい、高確率で値段が下がる。
日本国以外では、奥手であることはカモネギであると言わざるを得ない。
ただ値下げしてくれたらちゃんと買ってあげましょう。 それがマナーです。
- 気候について
よく8月になると日本人から「そっちはもっと暑いんでしょ?」と言われるのだが、
そもそも気候が違うので、単純比較した場合、8月は日本より涼しい。
暑期(3~5月)、雨期(6~10月)、乾期(11月~2月)であり、まとめると4月が暑く、12月が寒い。
寒いと言っても20度越えなのだが、タイにいると不思議と12月に「あ、今日寒いな」と思うようになります。
Tシャツを長袖に変えるだけで済むんですけど、寒いな、と……不思議。
雨季はスコール、日本で言うゲリラ豪雨なんですが、本格的に一歩も外歩けません。
でも最近はスコールより、日本みたいにしとしと長時間降ってるのも多く、地球温暖化という話を実感したりします。
- 物価は安いけど急上昇中。
ミネラルウォーターが12バーツ。 40円。
洋服がユニクロで1,000バーツ代。 4-5,000円。
タクシーが初乗り35バーツ。 100円。
昼飯を屋台で済ますと50バーツ。 150円。
昼飯を日本料理屋で食べると2-300バーツ。 6-900円。
私が住んでいる所はサービスアパートといって、ほぼキッチンついたホテルです。
電気代、水道代、メイドサービス(週7回のベットメイキング/掃除/洗い物/タオル交換、週3回のシーツ交換)込で36,000バーツ/月。 11万円。
パソコンとかiPhoneとかは全世界価格なので参考になりません。
基本的に人件費は安く、Bangkok市内であれば土地代が高いからその分費用に反映されるという感じです。
- インフラ
結局インフラはあんまりしっかりしていません。
水はうがいしてもいいかなと思うぐらい透明なのですが、排水管が管理されていないので飲めません。
電気は瞬電が結構頻繁に多いです。
前述していますが、雷も多いのでインフラがやられてネットワークが落ちるとかわりとよく体験します。*10
IT屋目線で見るなら、日本はOAフロアといって床の上に床を作り、
その隙間で配線することが多いのですが、こちらでは天井通すのが普通です。
中国もそんな感じだったし、OAフロアなんて日本だけなのかも。
基本的に宅急便みたいな物流がなく、
企業が自前で物流も用意しているように思います。
発注しても納期はよくわからないし、なんなんだこの国本当に。
基本的になんでも紙にサインして残す必要があります。
なんで毎日こんなに印刷する必要があるんだっていうぐらい紙のゴミは出ます。
シュレッダーはペーパーレスが叫ばれている昨今の日本より活躍してますね。
そんなだからクリップもステープラーもクリアファイルも欠かせません。 処理できない。
- 交通渋滞がひどい
1台も車が走っていなければ10分でいけるような距離を、
1時間かけて移動するなんてこともあります。
そんくらい渋滞が多い。 渋滞がひどいところを通る場合、タクシーの運ちゃんが乗車拒否してきたりします。*11
ようやく電車を一般人も使えるようになってきたぐらいの物価指数なのですが、
そもそも電車が4両編成とかのくせに、10分間隔とか平気でやっているので、
あまり交通の助けになっているようにはおもえません。
線路もまっすぐ伸ばすことに注力しているようで、ただただ電車が込みます。
特急の路線を開通させる!とか言っているようですが、工事は何度も延期になっているようです。
その前に筋交いみたいな支線作って便利にするべきではないだろうか。
とまぁ長々とタイについて色々思ったことを語ってきたが、そろそろネタ切れと相成りました。
タイ人についてはまた別の機会に譲ろうと思います。
端々口調が統一できていませんが、まぁいいでしょう。
*1:今も詳しいとは言い難いが
*2:ちなみにアマタシティという名前の地域がある。しかも工業団地
*3:今回の首相更迭などそんな印象
*4:赤だの黄色だの、片方が政権とると片方が暴れるので、終わりが見えない
*5:二日目から来ないとか明日辞めますとかも十分よくある話
*6:まだお世話になったことはないが……タイ人スタッフと話してても「警察にいったって無駄だし……」みたいなネガティブな発言を聞いたりする
*7:そもそもチケットの買い方がわからなくて困ってる
*8:暴言である。
*9:ものすごく気に入ってしまった場合、持って帰るのも大変…という取らぬ狸の皮算用もしている。
*10:おかげさまでトラブル対応が面倒です。
*11:タクシーの運賃が距離加算しかないので、しょうがない側面もありますが
軍事クーデターが宣告されました。
記事公開後、文体統一の為修正をいれています。
2014年5月22日 17時。*1
陸軍司令官及び参謀により会見が開かれ、軍事クーデターが宣告されました。
まぁ、やっぱり何があっても不思議じゃなかったですね。
私が気づいたのがスタッフからの話で、ほぼタイムリーでした。*2
上長も社長もいなかったので副社長に話を持って行きましたが、
副社長は「で、どうするの?」と私に聞き返すので呆気にとられてしまいました。*3
もうニュースとしては古いですが、その日の内に立て続けに下記情報が舞い込んできていました。
- 代理首相を追放して軍が政府掌握
- 夜間外出禁止令が発令 22時 - 05時
- 上記により、電車21時に止まることが発表される。
- 出入国者の夜間移動に混乱が出たらしい。
- その後、例外が発表。 出入国者の他、夜勤者等も証明ができれば免除という形に。
- 聞いた話だと結構な罰金額らしい。*4
正直この日はもうこれ以上何も事態は動かないだろうなと思いました。
なぜならここ数か月のタイはデモが開催されて、小競り合いはずーっと続いているけれども、暴動が起きているわけではないからです。
軍隊が掌握し、即ドンパチ発生するという展開以外では、軍隊がドンパチやる相手が存在しません。
一応警戒するに越したことはないと思いつつ、いつも通りだろうという予測でした。
実際にそれは正しく、その日はいつもより店じまいが早い以外はやはり普通でした。
一晩開けた昨日は出張でほぼバンコクにいませんでした。
バンコク郊外では軍を見かけたなんて話も聞いていましたが、
私は車で移動していたものの、結局見ていません。
渋滞していましたが、検問等もなく、無事にバンコクに戻ってくる事ができました。
ただ夜間外出禁止令が郊外から戻ってくるにはとても良い迷惑でした。
帰りの時間が渋滞で読めないというのはよくあることなのですが、
部下も連れており、そして運転手も時間までに帰らせないといけない手前、
この異常事態は私には相当なストレスになりました……。
今日は二日経って最初の週末です。
昨日の疲れを引きずって最悪の体調ですし、
私は最速で何か起こるとすれば、金曜夜からこの週末にかけてだと思っていました。
公式には公平だと言っていますが、結局のところ軍も司法も反政府側の組織です。
現政府側であるUDD(赤シャツ隊)は地方の農民が大部分であり、
彼らが大挙して暴動を起こすのであれば多少準備が必要になります。
早ければ今週末、きちんと用意するなら来週末ぐらいか……そんな考えでいます。
結局のところ、今日を過ごした感じでは特に事態が進展した感じはありません。
インラック首相 元首相 修正時刻 2014-05-25 00:45が捕獲*5されているらしいですし、
UDD側や反政府デモ隊の首謀者も抑えているようなことも話に出ています。
軍としてはあくまでも軍事力による国家転覆ではなく、事態収拾が目的であると伝えたいのかなと思います。
まぁ六年前同じ事やって諸外国から大ブーイングでしたから、全く同じ轍は踏まないという意思表示なんではないかと思います。*6
報道規制の話も出ていますね。
相変わらずタイ放送局は制限がかかっていてますが、
国外放送のNHKワールド等は見る事ができています。
国内放送もたまに軍が検閲しおわったコンテンツは流れているようですが、
基本的にはどの局まわしても*7同じ“治安維持のためただいま制限中!”と言った感じの静止画が映るだけです。
最後に。
私は「今のところ大丈夫」とは言っていますが、決して安全であると言う気はありません。
もし私の知人が個人的な用件で今タイに来ようとしている場合、私は止めると思います。
戒厳令が出たあたりから思っていることです。
私の記事を見て「なんだ大したことないんだ」と安易な気持ちで来泰することは、推奨していません。
また何かあれば記事に残そうと思います。
記事中に訂正語を残しておいたのは、私の無知を残しておこうというだけです。
語尾の統一のためにもっと修正していますが、大筋言いたいことは変えていません。